2016イラン その7 テヘラン観光~パスポート行方不明編
ホテルの朝食は一応ビュッフェ形式という体裁でしたが、卵(目玉焼、イラン風卵焼き、ゆで卵)、炒めたポテトとソーセージ(チキン)のメイン料理と、サラダ(キュウリ、トマト、クリームチーズ(しょっぱい)、オリーブ、ドライフルーツ(デーツ等)にヨーグルトをかける)、パン(食パン、ナン)という内容で、1,2泊ならいいけど3泊すると絶対に飽きるなと思いました。でも食べる。
午後には約600km離れたシラーズへ向けて出発するので、テヘラン観光はさくっとすませます。
日本でも新たな公共交通機関としてBRTが一部の地方都市で運行されていますが、慢性的な交通渋滞が起きているテヘランでは、専用レーンを走るBRTは市民の足として必要不可欠になっているようです。必要不可欠すぎてラッシュ時の混雑は日本と良い勝負でした。たぶん本数が少ないのと、走っているのが二連結バスなので1回の輸送人員数が少ないせいなんじゃ無いですかね。1両目が半分に仕切られていて、前半分が女性専用スペースになってました。日本と違うのは、女性と男性は完全に分かれて乗車しなければならない点です。
BRTのバス停、隣の車道は大渋滞。向こうに小さく見える自動車はパトカーで、緊急自動車はBRTレーンも走っていいようだった
ホテルの最寄りのバス停から東へ移動して、まず旧アメリカ大使館を見に行きます。
テヘランの北にズデンと横たわるアルボルズ山脈
映画『アルゴ』でおなじみ旧アメリカ大使館。閉鎖されている。ロシア人らしきおっちゃんが「ここアメリカ大使館?入れないの?」と聞いてきたので入れないと教えてあげたらションボリしてた
壁は鬼畜米帝をディスりまくるプロパガンダアートで埋められている
旧アメリカ大使館を見るという目的はかろうじて達成したので、テヘランの見所が集中しているイマーム・ホメイニ広場へ地下鉄で向かいます。
地下鉄のホーム 地下鉄はこの一度しか乗らなかったので、男女分かれて乗るようになってたかどうかわからなかった。BRTと共通のプリペイドカードで乗り降りできるので便利
字は読めなくても何の広告なのかはわかる
テヘランの中心イマーム・ホメイニ広場 この周辺に見所が集中しているが、広場というよりただのロータリーだった
国立博物館のあるヤージャニ通り 他に幾つも博物館があるアカデミックな一角。国立博物館の入り口がわかりづらくて何往復もした
やっと入った国立博物館は規模が小さくてちょっと食い足りなかった。ペルセポリス百柱の間にあった牡牛の柱頭を見られたので一応目的は果たした
国立博物館は年代がやたらと古い展示物しか無く、その辺に興味が無いとさっぱり面白くないと思います。あと1700年ほど塩漬けになってた人間の頭部とかが好きな人にはオススメ
アカデミズムの名の下に人間の死体があっけらかんと展示されているのも博物館の醍醐味
次は近くにあるゴレスターン宮殿へ向かいます。ここは世界遺産に指定されていて内部はいくつかの博物館になっているのですが、外観があまり好みでは無かったのと、博物館ごとに入場料を取られるスタイルで総額90万リアル(約3400円)も取られるので結局見ないで引き返しました。
滞在時間も限られていたのでテヘラン市内はちょっとしか見てまわりませんでした。ただ、ガイドブックに書いてある観光名所をまわるよりも、町並みそのものを楽しめそうだなと思える場所でした。
お昼ご飯に食べたロールサンド コールスローみたいな刻んだキャベツをマヨネーズでマリネしたものとハムがくりぬいたパンに詰められていてメチャウマだった。見切れている7UPの缶から大きさがわかると思うけれどかなりデカイ。イランはこの手のファストフードのサイズはだいぶ大きい
夕方に国内線でシラーズへ移動するので2時前にホテルへ戻りパッキング。現金はある、Eチケットのハードコピーもある、パスポートは無い。
パスポートが無い・・・?血の気がひくのを感じながら冷静に(そう思ってる時点で冷静では無い)自分を問い詰めます。前日チェックインしたときにフロントでパスポートを提示したのは覚えている。昨日今日と出歩いたときに持って出たバッグに入れたか、入れてないと思うけど持って出たかも・・・?記憶が定かではありません。
パスポート紛失なんて初めて、しかもこんな旅行序盤になんてこった・・・領事館に連絡しないといけないかな・・・頭を抱えながら(本当に抱えた)フロントへ相談に行きました。
「実はパスポートが見当たらないんだ」
「フロントで預かってますよ」
はあ?
よくよく思い返してみると、チェックインの時にフロントでパスポートを出したあと確かに返して貰ってない。国によってはホテルでお客さんのパスポートを預かる習慣がありますが、あまり一般的では無いのと時差ボケで判断力が落ちてたのですっかり忘れてました、小躍りしたいくらい嬉しかった。
そしてパスポートと一緒に出したホテルのバウチャー(予約確認表)も返して貰ってないことを思い出した。今回予約したすべてのホテルの名前、住所、電話番号が書いてあるのでこれからも必要なペーパーです。
「一緒に渡したホテルのバウチャーも返して?」
「・・・・・・」
反応が鈍い。どうやら処分してしまったようです。昨日の今日だぞと思いましたが、Gmailからドキュメントをダウンロードし直せばいいやと
・・・ダウンロードできませんなんで!?
どうやらVPNでイランでは許可されないサイトにアクセスしたのが特定されたらしく、VPNが無効になっているようです。どうやってかわかりませんが、SIMのIDでブロックされたのかな・・・
再び頭を抱えます。メール本文からホテルの名前はわかるけど電話と住所がわからないのはかなり不安。結局フロントの人に問い合わせて貰い、予約したホテルを特定して住所と電話番号をメモして貰いました。ありがとうホテルの人(君がバウチャー捨てたからこういう事態になったんだけども)
それでもフライトの時間までまだだいぶ余裕があったので、チェックアウトを済ませタクシーで一路メヘラバード国際空港へ。
街中にあってアクセスは便利と思いきや、空港に入ってからの渋滞が凄かった
1時間ほどのフライトでシラーズに到着です
その8へつづく